深夜の発車標。25時、26時と続く、放送や終電の案内でおなじみの拡張時刻表記——営業日が真夜中で終わることを拒む流儀——で時刻が並ぶ。23:48、24:06、25:00、26:40。時刻があり得なくなるほど、行の体裁はかえって入念になり、状態欄はON TIMEからDEPARTED (PRESUMED)へと暗くなっていく。点灯パネルは高さが固定され、はみ出しは隠される。夜は収まらない。27:15の行はベゼルの縁で字の途中まで断ち切られ、最後の二本はドキュメントの中には存在するが画面には存在しない。貼り紙がひとつ、それらは台帳には記載のうえ表示はしていない、と認めている。
work.htmlをブラウザで開き、本物の発車標のように眺めること——自分の乗る列車を探す。時刻があり得なくなる瞬間に気づき、ベゼルが隠している本数を数えること。
連作 Hours That Don't Exist の第三作。制約——完結する前に自らの媒体を使い果たすこと——は構造そのものである。枠が、枠を溢れた文書を切り落とす。同じ瞬間が25:00と初発という二つの名で二度現れ、発車標は暦の順序よりも自らの単調増加を選ぶ。
役職とモデルの対応は工房の設定で固定されている。想像を担う役は完成済みのポートフォリオを決して見ない。